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羽毛ふとんの大敵は『汗』


解体後・洗い前の羽毛の状態

洗い後・乾燥中の羽毛



マザーグースダウンや手摘みのダウンは高品質で高価な羽毛ですが、そんな高品質の羽毛でも、使用方法やお手入れの頻度で経年劣化の状態が変わります。

画像の羽毛ふとんは、製品から察すると30年以上前に製造した商品かと思われます。

左は、側生地を切って解体後に取り出した羽毛ですが、粒状に固まっているのがわかりますか?

右は洗い後の乾燥中の羽毛ですが、まだ粒状の羽毛がたくさん残っています。

このように粒状に固まってしまった羽毛は、洗っても元のふっくらしたダウンには戻りません。羽毛が固まってしまうのは『汗』の中に含まれる『脂』が原因です。

この羽毛ふとんの場合は、お手入れなしで30年使用したために固着した脂分だと思いますが、汗の多い体質の方ですと、5年くらいの使用でも固まってしまうこともあります。

『羽毛ふとんは直接体に掛けるほうがいい…』と販売店で聞いたので、カバーを掛けた羽毛ふとんを体に掛けて使っている…というお客様もいますが、羽毛ふとんを直接体に掛けると、汗は100%羽毛ふとんが吸うことになるので、汗を含んだ羽毛は固まりやすくなってしまいます。

羽毛の固まりを防ぐ対策は、『干す・乾燥させる』こと『体と羽毛の間に汗を吸う素材のケット類を使う』ことの2点、そして定期的なリフォームや丸洗いのお手入れです。

ふくらみが減った…薄くなってしまった…中身が片寄ってしまった…といった症状の時は、羽毛が固まっていることが原因と考えられます。

汗で固まってしまった羽毛は、たとえ高品質の羽毛でも回復できないことがあります。

長く快適に使って頂くためにも、羽毛ふとんのリフォームを早めにしていただくことをお薦めします。